性病とは
どうやって感染するの?
どうやって感染するの?
性病や性感染症は自然発生するものではなく、性行為によって感染する病気のことを言います。相手が感染している状態で、性交渉をした場合に感染することがほとんどです。(種類によっては性交渉でなくても感染するものもあります)自覚症状が顕著にでるものから、症状が軽かったり、自覚症状がないもの、または潜伏期間が長いものなどもあるため、感染していることを知らずに相手に感染させてしまうこともあります。
また、感染経路も様々で、比較的経度の接触で感染するものもあります。性病に関する正しい知識を身につけ、予防することも大切です。
どうして感染が広まってしまうの?
コンドーム利用率が低下してきている
パートナーと一緒に治療しない人が多い
症状がなくなると治療をやめてしまう人が多い
性病の多くは、症状が軽くて気付かなかったり、感染後自覚症状がなくなってしまったりといった特徴をもっていたりします。しかし、完治していない状況で性交渉を行うことは大変危険であり、性病を蔓延させる大きな原因のひとつにもなってしまいます。主治医の指示にきちんと従い完治するまでは治療を続けることが大切なのです。
性病に感染したら?
性病に感染したら?
もしも感染してしまったら、早期発見・早期治療をすることが大切です。症状が軽いからと軽視して受診せず、病状を悪化させてしまい、さらには他の方に感染させることは避けなければいけません。
検査を受けるのが恥ずかしい、忙しくて検査を受けにいけない方などは、郵送検診がございます。匿名で、ご自身で自宅にて検査することができるので、不安になったらすぐに検査することをおすすめします。
受診する前に注意しておきたいこと
健康保険について
性病には健康保険が使えます。なので、医療費を過剰に心配する必要はありません。性病治療には精密検査や特別な治療薬を使用しなければならないことがあるので、多少医療費が高めになることはありますが、治療が遅れると不妊症になってしまったり、後遺症に悩まされたりすることになりかねないので、早期発見・早期治療が大変重要なのです。
できるだけパートナーと治療する
性病は自分自身だけの病気ではありません。積極的にパートナーと検査を受け、治療を受けることが感染拡大を防ぐ第一歩です。
どんな症状がいつからあったのかを説明できるように
性病症状を説明することに恥ずかしいという意識が働いて、説明できなくなってしまうことがあります。しかし、秘密は守られますし、治療に必要なこと意外は聞かれたりしないので、落ち着いて医師の質問に答えましょう。いつから、どのような症状があって、原因と考えられる性交渉はいつごろか、その相手に心当たりがあるのか、といったようなことを伺います。(この場合、相手も治療の必要があるので伺うだけでプライベートなことを聞き出すものでは決してありません)また、本人の許可なく、パートナーに連絡をとったりして病状を通知したりすることはないので安心して受診してください。
最終チェックまできちんと治療を受けましょう
性病の自覚症状は自然に消えてしまうことが多いです。しかし、症状がないからといって完全に治癒しているとは限りません。治療の途中でさらに感染を広げてしまったり、治ったと思っても再発を繰り返したりすることは少なくありません。医師からの指示を守り、完治させることが大切です。
増加するクラミジア感染
増加するクラミジア感染
性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスという細菌が原因でおきる性病です。症状としては女性では初感染時にほとんどの方(9割といわれています)が無症状です。男性では尿道炎症状を起こします。感染から1~3週間後程で尿道のかゆみや違和感や軽い排尿痛といった自覚症状が現れます。しかし、男性でも他の性病に比べて症状が大変軽いため、自覚症状に気付かずにすごしてしまうことが多く見られます。そのため、感染が広がりやすく、増加の傾向にあるのです。また、オーラルセックスで性器からのどへの感染、のどから性器への感染も増えています。
不妊症になる可能性のあるクラミジア
クラミジアは症状が軽いのに侮れないのはその後の経過です。男性では、クラミジアが精管から精巣上体にまでいくと精巣上体炎(副睾丸炎)を併発します。精巣上体炎や精管炎を引き起こした場合、炎症により精子の通路が閉塞するので両睾丸で発症すると不妊症(閉塞性無精子症)になる可能性が高まります。
女性は膣から子宮頚管に感染、子宮頚管炎を引き起こします。時として子宮頚管から子宮、卵管を経て腹腔内へ感染がおこります。卵管周囲炎や骨盤腹膜炎、など原因不明の腹痛の原因になっていることもあります。これらが起因して子宮外妊娠や卵管性不妊症となります。妊娠中の感染は流産・早産の原因となります。妊婦がクラミジア感染したまま出産すると産道感染を引き起こし新生児に結膜炎や新生児肺炎を発症します。
女性のクラミジア感染症は男性にに比して症状が軽く気付きにくいのですが、合併症や後遺症による影響が大きいので注意することが重要です。
性病に気づかずにいると…
性病に気づかずにいると
性病に気付かずにいると、男女ともに不妊症の原因になる場合もあり、妊娠中に感染すると早産や流産の原因につながるリスクも高くなります。
また母親から子供に感染する可能性もあり、肺炎や失明の原因にもなりかねません。性感染症(性病)に感染しているとHIV(エイズウイルス)に感染するリスクも通常時の3倍以上とも言われています。
性病には自覚症状があまりないものがあります。症状が軽いし恥かしいからと言って、受診を避けてしまう方も多いようです。しかし、病状が軽くても病気は確実に進行しています。いつもと違うなとおもったら早期発見・早期治療が重要です。
ほとんどの性病(性感染症)は治療可能です。病院で検査を受け、早く確実に治療しましょう。
性病を予防するには?
性病を予防するには?
性病や性感染症を予防するには性交渉をしないことが一番の予防です。ただ、この方法は非現実的なので、出来る限り特定のパートナーとより安全に行うことが大切です。
前もって抗生物質を飲んでも性病に対する予防効果は特に無く、中途半端な内服はかえって病状の発見を遅らせ、治療が遅れるどころか、耐性菌を生み出しかねません。
コンドームで予防できない性病もありますが、現実的には一番予防効果を得られる方法です。パートナーと自分自身を大切にするためにも、不特定多数との性交渉を避け、コンドームを使用し、性病予防に努めることが大切です。